「銃」は鉄砲ではない!?「銃」の漢字の由来や成り立ちについて調べてみた件
先日、ニュースを見ながらふと思ったんです。
あれ?「銃」て漢字は一体いつから使われてるんだろう?
という素朴な疑問。
いつから使われているか?
というより、そもそも鉄砲が発明される前から「銃」という漢字があったのだろうか?
と言い換えた方がこの疑問の本質はわかりやすいのかもしれません。
「銃」が発明される前から「銃」という漢字が存在していたのであれば「銃」という漢字のそもそもの意味ってなんだろう?
なんかややこしい事言ってんなこいつ。
と思うかもしれませんが、なんかあまりにも気になって禿げそうだったので、ちゃんと調べて記事にしてみました。最後まで読めばちょっとした雑学が手に入りますので、ちょいとお付き合いください。
そもそも銃はいつ頃発明されたのか?
日本に初めて銃が伝来したのは、1543年の種子島。ポルトガル人から火縄銃が伝わったと言われています。これが日本と「鉄砲としての銃」の初めての接触ではありますが、世界に目を向けてみると銃の歴史というのは思いの外古く、銃器に近い存在は8世紀頃に中国で発明された飛発(ひはつ)と呼ばれる大砲のようなものが始まりだそうです。思ってたよりも古い時代から銃というものは存在したんですね。
しかし、いくら古いといっても8世紀。
8世紀といえば、日本では平城京やら平安京やら言われている時代ですから、もちろん当たり前に漢字は存在していました。聖徳太子が著した「法華義疏」なんかは普通に漢字ですからね。そう考えると、このときにはすでに「銃」という漢字も存在していたと考えても良いのではないかと思います。
聖徳太子によって著されたとされる日本最古の書物『法華義疏』(615年)
おそらくですが「銃」という漢字は元々別の意味で使われていたけれども、鉄砲が発明され次第に「銃」というものが鉄砲としての意味に置き換わった、と考えるのが個人的には一番腑に落ちる考え方になります。
「銃」という漢字の本来の意味を考える ➡︎ 結果、タッチが読みたくなる
じゃあ、「鉄砲」以外の意味での「銃」て何よ?という話なわけです。
「銃」の「銃」以外の意味を考えてみる。まるでトンチですね。
文字を見て「へん」と「つくり」の意味を考えればなんとなーく意味がわかる場合もありますが、「銃」は見てもさっぱりです。「金」へんはなんとなくわかるけど、つくりの「充」て何?と、謎が謎を呼ぶミステリー笑。漢字から意味を推測するのであれば銃の意味を考える前に、充の意味を知る必要があるのです。
金偏に充、金偏に充…。
うーん、充ってなんだろう。。。
充、充、充………
あー、
タッチ読みたくなってきた。
↑ あだち充、万歳。
となるわけで銃について考えれば考えるほどタッチが読みたくなる、そんな一連の流れです(どんな流れやねん)。ちなみにどうでも良い話ですが、僕はあだち充作品はH2が一番好きということは、ここだけの秘密です。
仕方がないのでGoogle先生に聞いてみよう
このままだと本当にタッチとか読み始めちゃう雰囲気だったので、「銃」という漢字の由来や成り立ちについてちゃんと調べてみることにしました。
「困ったときのGoogle先生、よろしくおねげーします」ということで、いろいろ検索してみると、あの古代文字の白川フォントでおなじみ、故白川静先生の書籍がヒットしました。
以下、引用として記載します。
「銃」は鉄砲の意味に使われるようになったが、もともとは斧の柄を差し込む穴のこと。なぜ穴のいみになったのかというと信じられぬようなことだが、音記号の「充」の古代文字(以下図)の形の中ほどに穴状の「○」がある。そのためであるという。
成り立ちで知る漢字のおもしろ世界動物・植物編: 白川静著 より引用
ほぅ…、ついに謎が解けました。
どうやら「銃」という漢字はもともと斧に使う言葉だそうです。
斧の刃にある穴。これねこれ。ここの穴が「銃」というらしいです。
ちなみに「充」という漢字には「みたす、ふさぐ、つめこむ」という意味があるらしく、「金」へんに「充」(つめこむ)という意味から、鉄砲としての「銃」という漢字になったらしい。
いやー、ちょっとした疑問だったけれども、調べてみると面白い話だった。
これで心置きなくタッチが読めるわー笑。