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2017-07-13

初心者でも簡単に写真集が作れる?!アートブック「ZINE」の作り方について

写真集を作りました。

【お知らせ】奥行症候群が完成いたしました!

写真集と言っても商業出版ではなくZINEですが。

ちょうどIllustratorの体験版が7日間使えるということで「ちょっと本でも作ってみよう!」と思って見切り発車で取り掛かり、なんとか形にすることができました。ちなみに制作期間は体験版の期限もあり、約3日という非常に荒々しいスケジュール笑。本当は以前よりちょっと構想していた「いとうノート」の紙媒体を作りたいと思ったのですが、写真集の方が作りやすそうだったのでテスト的な感じで写真集を作ってみたという次第です。

写真集のタイトルは「奥行症候群(オクユキシンドローム)」

私のinstagramアカウントの写真をいくつかピックアップして、奥行のみの写真を集めた写真集です。

ちなみにインスタアカウントはこちら → (@ccaaco

写真集の中身はこんな感じ。

まぁ、そういうわけでZINEとはいえ初写真集が出来上がったわけです。これからはもう普通に「フォトグラファー 伊藤あきら」と大見得を切って名乗らせていただきます。先日撮っていただいたプロフィール写真もほとばしるほどにナルシズムあふれてますからね(恥ずかしい…)、何かを始めるにはちょうど良い頃合いなのでしょう(  ̄- ̄)トオイメ。ただ一点、補足を入れるとするならば、今回の写真集は全てiphoneで撮影しておりますので、フォトグラファーとして仕事をいただいた場合、iphone片手に撮影場所に向かう可能性があります、その際は温かい目で見守ってやってください。(冗談です)

ちなみに「あんだけカメラ売ってるのに何でiphoneで撮ってんねん!」みたいな総ツッコミは現在全力で無視しております、ご了承ください。

それはさておき、出来上がりに関してはかなり満足いくものでしたので、宣伝も兼ねて、最近密かに流行りつつある「ZINE」の作り方についてもご紹介していきたいと思います。

そもそも「ZINE」てなんですか?

『●▲■』『MUGGY STREET』『GATEWAY #1』『TAIPEI GRAFFITI』

 まず、何よりも最初に「ZINE」とはなんぞやという方もいらっしゃると思うので、そこからできるだけわかりやすく簡単に説明します。

 

「ZINE(ジン)」というのはお酒、蒸留酒の一種です。

……はい、嘘ですごめんなさい。(←おい)

 

すみません。ZINEの作り方を調べていた時に、いろんなサイトでこのネタが書かれていたので自分も書かなければならないのかと思って書きました。ZINEとGinをかけた会心のボケです。本当にごめんなさい。ここからは真面目にやります。

ZINEというのは個人製作の簡易的な本のことを指します。いわゆる同人誌です。明確に誕生した時期はよくわからないのですが、1960年代のアメリカで広まったらしいです。ちなみに語源は”Magagine”の語尾をとって「ZINE」となったとのこと。

本と言ってしまうと本屋で売っているような、ちゃんとした(?)書籍や雑誌をイメージしてしまうと思うのですが、本というよりもどちらかといえば冊子と言った方が近いのかもしれません。例えば小学生の時に遊びで作ったような、わら半紙で適当に絵を描いてそれらをホチキスで留めて本っぽい感じにした小冊子、ああいう感じのものも立派なZINEです。だから、皆さんが想像している以上に簡易的な冊子、それらもZINEとして位置づけられると考えてください。

もちろん一言でZINEと言ってもそのクオリティーは様々で、手作り感満載のものもあれば、普通に本屋さんで目にするような雑誌みたいなレベルが高いものもあります。だから「少部数発行の超自由な本 = それはもうだいたいZINEで良くね?」と理解していただければ、それで良いのではないかと思います。(←適当)

では、中身はどんな感じなのかというとこれも決まりはなく多種多様です。写真集もあれば、音楽やアートの批評であったり、絵本、詩集、イラストなどなど。はっきりこれといった決まったジャンルはなく、作り手が表現したいことを形にした、一種のアートに近い自由な内容になっています。

海外の熱量の高い雑誌や出版物を紹介しているページ『GATEWAY #1』より

もちろん、一般ウケするような内容のものもあれば「え?これ誰が読むの?」みたいな超とんがったZINEもあります(とんがりすぎて誰にも刺さらない場合も…笑)。でも、そんな誰も読まないようなものをあえて手にとってパラパラとめくってみるのも、意外とワクワクして面白かったりするから、ZINEというのは不思議な魅力を持った媒体なのだと思いますね。

ZINEの作り方について

本当に今すぐにパッと作ろうとするのであれば、PCとプリンターとホチキスがあればZINEは作れます。自分で作ったデータをプリンターで印刷してまとめてそれをホチキスでパチンと止めれば完成です。イメージとしては小中学校の時に作った運動会のプログラムや修学旅行などのしおりみたいな冊子ですね。そう考えると、すぐに作れそうな気がしませんか?

真ん中からホチキス止め

こちらはゴムひもで本を綴じている

初心者の方であれば、まずはPCとプリンターでお試し的に作ってみるのがお手軽かつ簡単で良いと思います(手作りで作るのであればオニマガさんの記事などが大変参考になります)。

しかし、私はまったくの初心者(本の綴じ方すらも知らなかった)にもかかわらず恐れ多くも、一発目から印刷会社に発注をかけるという荒技を繰り出しました。「本を作るなら印刷会社で製本してもらわないと」なんていう短絡的な思い込みから、発注ありきでことを進めていたわけです。よくよく考えると、もう少し先のことを考えて動くことも大切だったなと改めて振り返って思います(見切り発車しすぎて、調べないとわからんことが多すぎた^^;)。

まぁ、今回の経験は今後紙媒体に関する事業を展開するとなった時に役に立つことになることでしょう。忘れないうちにこの経験が報われることを切に願っています笑。

これから紹介するZINEの作り方に関しては、私が今回製作した流れを中心にご紹介していきます。もちろん、やり方は人それぞれですので、参考程度に読んでいただければ幸いです。

では、早速。

今回のZINE作成で私が使ったツールは以下の通りです。

・Macbook air
・Photoshop
・Illustrator 体験版

以上。

手作り感のあるアナログなZINEも自由度が高く大変魅力的ではあったのですが、今回は完全にデジタル。PC上で全て完結させました。Illustratorは使ったことはなかったのですが、それほど特殊な作業をするわけではなかったので大きな問題はありませんでした。操作でわからないことがあれば、だいたいGoogle先生が解決してくれます。

次に作業の流れです。

以下、製作における大まかな作業行程をまとめます。

① コンテンツの構成、製作の流れを考える
② 写真を選ぶ
③ 写真をPhotoshopでトリミングする
④ トリミングした写真をIllustratorに貼る
⑤ アウトラインを取る
⑥ PDFにして確認する
⑦ データを印刷会社に送る

という流れです。

今回はシンプルな写真集でしたので、作業はかなり単純だったと思います。「フォトショでトリミングして、イラレに貼る」この単調な作業を延々と繰り返すだけです。修正する場合も簡単に直すことができるので、ZINE初心者は写真集の作成から始めるのが、もしかしたら良いのかもしれませんね。

では、作業工程について一つずつ簡単に説明していきます。

① 作業の流れや構成を考える

多分ここが一番重要なのかなと個人的には思います。

どういうZINEにするかとかコンテンツの構成はもちろん重要ですが、それ以上に作業の流れをしっかりと把握しておくことは必須です。これをやらないと二度手間になるような行程がたくさん発生します。一度経験すれば気をつけられるようなことですが、修正したと思ったら同じ箇所に別の修正が入り二度手間、三度手間になります。これが一回であれば良いのですが、何度も続くと自己嫌悪ループに陥ること必至なので、一度どのように作業をするのか流れをしっかりと確認するようにしましょう。流れといっても最初は全く何もわからない状態だと思うので、ZINEの作り方のサイトを参考にするのがベターです。

私が参考にしたサイト

・フムフムハック ZINEの作り方講座!初心者でも作れるZINE(ジン)メイキング
・オニマガ ハンドメイドなZINEの作り方(参考文献紹介付き)
・印刷ナレッジノート 冊子作成入門!知っておくべき5つの基礎知識!

またデータのテンプレートなどが決まっていたりするので、印刷会社の選定はこの段階でしておいたほうが良いと思います。私はこの段階でいくつか印刷会社をピックアップし、紙の種類や料金、納期など様々な条件を照らし合わせ、最終的にグラフィックさんにお願いすることにしました。

② 写真を選ぶ

実際に写真を選んでみてわかったのですが、あんましパッとしない写真が必要なこともあるのだなと感じました。最初は目を引くような写真ばっかり選んでいたのですが、完成間際の段階で見返してみたら「なんかちょっと違うなぁ…」と。偏りがあるというかクドイというか。

そんな経緯もあり、一度最後まで完成したデータを最後の最後でいくつか差し替えました。一見パッとしない写真なのですが、そういう写真を差し込んだことで、なんとなく全体の収まりが良くなりました。

トータルで考えるのって大事なんですね。

③ 選んだ写真をトリミング

私は横長の冊子で作成することにしていたので、それに対応するように写真をPhotoshopを使ってトリミングしました。今回の私の写真はそうでもなかったのですが、トリミングすると印象がガラリと変わったりする写真も出てくるのでこの作業は意外と面白いです。

トリミングする際には、ある程度余裕をもって作成しましょう(いわゆる塗り足し)。仕上がりぴったりにトリミングすると、裁断ずれによって白いフチが出来上がる可能性があるらしいので、仕上がりより少し大きめに作成するのがベターです。

ちなみにPhotoshopですが、私はAdobe Creative Cloud フォトプランを使ってます。

PhotoshopだけでなくLightroomも使えるので、カメラを使う方にはかなり便利なソフトですね。

④ Illustratorに貼る

③でトリミングしたデータをIllustratoeに貼り付けます。貼り付け方法は埋め込みとリンクがありますが、私は埋め込みで貼り付けました。データは重くなりますが、作ってる時に荒い画像だとなんか不安になったのと、完成時のイメージがしやすかったので埋め込みにしました。

リンクで貼り付けをした場合には、データを送る際にリンク元の画像も一緒にファイルとして送るようにしましょう。でないとリンク切れが発生し、データに画像が反映されません。

 

⑤ 文字をアウトライン化する

文字をアウトライン化します。アウトライン化というのは簡単に言うと文字データを図のデータにするといったところでしょうか(厳密には違うかもしれませんがイメージ的に)。文字をアウトライン化しないと別のPCでデータを開いた時に異なるフォントで表示されてしまう可能性があるそうです。これは初めて知った知識だったので、勉強になりましたね。自分で作ってないと得られない知識です。

⑥ PDFで確認

出来上がったデータをPDFにして完成予定のイメージをチェックします。②で挙げた写真の入れ替えはここで判断しました。全部並べて最初から最後まで目を通して全体の印象が悪かったんですね。1ページごとの印象と全体通しての印象というのは、またちょっと違う視点で見る必要があるのだなと。これもまた勉強になりました。

 ⑦ データを印刷会社に送る

何度か修正をして最終的にOKだと判断したら、データを印刷会社に送ります。送ったデータに問題があればメールと電話で連絡が入ります。私の場合は、送ったデータに塗り足しがないと連絡を受け、データを1から作り直しました笑。しっかりとチェックしてもらえるのはありがたいですね。

 ⑧ 完成!

①〜⑦の工程を経て、ようやく完成です。

納期は5日程度だったと記憶してます。週初めにデータを送って土曜日に届いたという感じです。かなり早い。ちなみに20冊ほど作りました。金額は2万円かからない程度。商売として売るつもりなのであれば、オフセットで大量に印刷し単価を安くする必要がありますが、今回は試験的な要素が大きかったので、オンデマンドで印刷しました。

もし欲しいという奇特な方がいらっしゃったら言ってください(FBなりこのサイトのコンタクトページからでもメッセージください)。知っている人であれば会った時にあげます笑。遠い人であれば郵送してお送りします。

印刷会社で製本してもらい、しかも表紙を別紙にしてツヤ加工までしたので、本の体裁としては想像以上にちゃんとしてる感があります。初めて作ったにしてはかなり上出来ではないかと一人で自己満しているところです。

まとめ

今回作ってみてわかったことは意外と簡単にZINEは作れるということです。偉そうにPhotoshopとかIllusutratorとかの話をしていましたが、実は全く使いこなせていませんのでご安心を(写真貼り付けとかしかできない笑)。ただ、どちらのソフトもひと昔前は10万円近くする高額なソフトでしたが、現在は月額1000円程度で使えまるようになりましたので、ZINEをこれから本格的に発行していこうと考えている人であれば導入を検討しても良いのではないかなと思いました。

この経験を踏まえ、次は本格的にテーマを決めて写真集ではなくインタビューや取材した内容を盛り込んだ、ちょっとカルチャー色の強いZINEを作ることも考えています。webではなく紙媒体を自分で作っていくというのは、ライターの幅を広げる意味でも悪くはないのかなと。紙媒体は情報としてだけでなくモノとして欲しいと思われる必要がありますからね。また一段とハードルが上がりそうです^^;

もちろん全ては仕事につなげるためのある意味ネタ的な要素ではありますが、それでも本を作る経験をしたというのは大きい気がします。本業がおろそかになっては本末転倒なので、そこは引き続きしっかりと頑張ります。

また、何かZINEに関する企画が進行したらこちらでお知らせいたしますので、楽しみにしていてください。

なお、このサイトからのお仕事(ライティング含む)も受け付けております。ご依頼がある場合にはこちらからご連絡ください。


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